2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ボディ アーティスト   ドン デリーロ著

身体芸術家の女性が、精神の障害のある男性との触れ合いをとおして、言語の始原的な交錯などを体験していくと云うお話であった。 デリーロ氏は、純粋客観的描写が目立つが、それはもうほとんど詩をよんでいるような感じで、日本での川端康成のような研ぎ澄ま…

 コズモポリス  ドン・デリーロ 著

ドゥルーズの”逃走論””遊牧民論”などの事を、現代で具現化した職業として、僕などは日本映画などの”トラック野郎”などを思い浮かべたりしたのだが、ドン・デリーロ氏は、それを”リムジン”の車とし、それにコンピュターを内臓させ、金融市場の株を売り買いす…

アーキテクチャ 思想地図 vol3 東浩紀、北田暁大 偏、

本書で、”アニメやマンガ、ゲームなどのポップカルチャーに影響を受けた小説が大量に生産され、それが2000年代中頃に大量に純文学に流入し、既存の文学との間に対立が生じているという現状認識” という事が述べられており、その結果として、 ”目の前の退屈な…

ぼくは行くよ  ジャン・エシュノーズ著

”ぼくは行くよ”などというタイトルが、非常に可愛らしいのに驚かされるが、僕個人が読んだ感想では、”オレは行くぜ”といった風のイメージに感じられた。 何故か、このエシュノーズという方に、仏国の知識人の人達が、ゴングール賞を取らせたかったらしく、こ…