カフカ式練習帳  保坂和志 著

          2012年 文藝春秋 刊、

カフカの日記や手紙、メモ書きのようなものを調べているうちに、これこそがアートであると著者の方は感じられた様子。


絵画の世界では、断片のコラージュというようなものが、良く見受けられ、イメージしやすいのだが、文章でそれをやるとどうなるだろうと、あまりイメージしにくい。

本書は、別に読みづらいといような事はなく、本当にそのまま断片の連なりが、淡々と綴られており、非常に読みやすい。

素人の意見だが、断片ごとのその間の、まるポッチのような印は、別に必要無いのではないかと、余計な事を思ってしまった。改行だけで良いのではないかとか。

あと、フランスで有名な、ブァレリーのカイエ手帳の事などを思い浮かべたのだが、あの方の勲章をぶら下げたいかにもお目立たそうな姿を眼にすると
なんだか、気持ちが萎える。

要するに、モンテーニュのエセーなどを読めば良いのではないのかと思うのだが、あまりにも無意味な気がして、行き詰まる。

エセーは、もともと書くものの思考を表現するのに、最適な形式という事なのだが、所詮やはり僕の思考など数行で終わってしまいそう。残念!