さよならギャングたち    高橋源一郎  著

               1982年  講談社  刊、


高橋氏のデビュー作で、昔からどのような作品なのか気になっていたのだが、やっと今頃よむことができた。



全編が散文詩の小説になっていて、作中では主人公は詩人と称していた。



この作品も、フィリップ・ロスの”われらのギャング”の影響下にあるのかと推察してみたが、形式、内容から言って、ほとんど何の影響も感じられなかった。本作で登場する”ギャング”は正真正銘の”強盗”がちょっと登場するだけで、ロス氏のパロディの作とはあまり関連性は感じられなかった。ただ、共通点があるとすれば、”俺たちに明日は無い”や”デリンジャー””ゴットファーザー”などのアメリカ映画で、そろそろギャングもののブームも終わりかけた頃の作品だと言うことくらい。


内容では、シュールレアリズム風のポエットの文章で、所々残酷なブラックな感じが、少し抵抗を覚えるような印象だった。