般若心経 金剛般若経   中村 元 現代語訳

              岩波文庫


般若心経は、一応”浄土真宗””法華宗”の時には、読経されないお経であるようだ。



般若と聞くと、どうしても”般若のお面”を連想してしまい、いつも不思議におもっていたのだが、”般若のお面”は、能で使われ、おもに男性に棄てたれた”女性の嫉妬、怨念”を表現しているらしい。仏教での般若の直接の語彙は、主に智慧、悟りの意味であるらしい。



中村氏の現代語で読むと、”弟子と釈迦の問答の形式”になっていた。有名な”色即是空”が言われているらしいのだが、そこのところがどうも苦手で、言われば言われるほど”色欲、猥欲が巨大化”している自分に呆れてしまった。こういう場合はいくら口で言われてもだめで、まさに野山を駆け巡るか、托鉢して日本全国を巡るくらいの修行を実際に行わないと悟ることは不可能だと思われる。実際親鸞などの映画によると、お寺を建立してもらうということを、丁重にお断りして、巡礼の旅に出ていくという場面が描かれていた。これは、まさに”ノマド”の思想にも通じていて、止まったらダメ、常に移動していないと欲というものは超越するのは不可能であるかのようだ。実際問題、食べる保証も何もなく、寝るところも定まっているわけではない僧侶の修行は重大だと思われる。まさに”欲”以前に”命”が危ない。