獣たちの熱い眠り    勝目梓 著

          1978年 徳間文庫 刊、


80年代にベストセラーになった作品らしい。


勝目氏はこの作品から”セックスとバイオレンス”の小説を書き続けることになったらしい。


”性と暴力”が読者に受ければ必ず売れるとよく言われるが、実際文章で読んでみると、何故こうも”性と暴力”ばかりなのか、考え見ても良くわからなくなる。


散々難しい哲学や、文学論を論議していて、結局必要なのは”暴力とセックス”かと、ある疲労のようなものを感じる。


勝目氏の作品は、短い文章のセンテンスと、ぐいぐい展開するストーリー、意外に清潔な性描写で、とてもモダンな印象を受ける。特に80年代の作品群は、時代の影響もあってか、とてもモダンでカッコ良い感じがする。


しかし、僕の稚拙な人生経験では、現実は結局”立派なヤクザ者”の出来上がりという、出来の悪いオチのような悪い印象も受ける。現実は厳しいからな〜・・・・・・・・・・。