現代アメリカ小説  マルカム・ブラッドベリ 著 

osamuoh2010-01-16




1960年代に、アメリカ文学の世界で、モダニスム以降に実験的な小説形式の追及、メタフィクションや、ラテン・アメリカのマジックリアリズムなどが、有名になったのは、ほんの少し解ったような気がするが、その後に、それらの運動の反動としての新しい文学の潮流として、レイト・ポストモダニズムというのも、起こっていたらしい。


”ニュージャーナリズム”という呼び方をされた潮流があったらしく、ジャーナリストのトム・ウルフという人が、主導していたらしい。時代が求めているのは、バルザックディケンズ、ゾラの伝統にしっかりと連なる一大社会小説、つまり、現代アメリカの都市生活や風俗、慣習、富、機構を描くドキュメンタリー小説であるべきだ、といった主張であったらしい。


そんなにスケールは大きくないが、ミニマリズム小説としてウルフ氏が”Kマート・リアリズム”と名付けた潮流もあったらしい。いわゆるひなびた、田舎の香水のプンプンする田園地帯を背景にし、飾りのない文体で、かなり細部にこだわり、特定の社会を描き、80年代のアメリカのフィクションを特徴づけるの大いに寄与したと位置づけられていた。村上春樹氏が翻訳した、レイモンド・カーウ”ァーはこの流れに位置するらしい。