アメリカン・ソドム 巽考之 著
タイトルからイメージすると、ハード・ゲイとか、レズビアンといった、アメリカの現代の歓楽の流行現象の事かと思ってしまうが、本書ではそういった事はいっさい言及されておらず、おもにアメリカの建国以前にまで遡って、考察がすすめられていた。
”白人至上主義”やピューリタン至上主義的なアメリカ文学に否を唱えているのは、”ニューアメリカニズム”と同様のようであった。
神の国、闇の力の相互反転から、新しいアメリカン・ヒーローが生まれるといった論調になっていた。
しかし、なにせ、元になっている文献が、建国以前にまで遡った、”体験記”なるものから論考が進められており、そのような”体験記”というものが、どのような形で存在しているものなのか、見たことも聞いた事もないので、非常に理解に苦しんだ。