ウ”ァイランド  トマス・ピンチョン 著

osamuoh2009-09-04



1998年頃の翻訳であるらしい。



アメリカの映画や、ドラマなどを観ていて、生活の豊かさを誇らしげに誇示する事は多く観られるが、いわゆる学歴を鼻にかける人をあまり観た事が無いので、アメリカという国は、本当に”自由”で、”民主的”な、いわゆる”働く人々の天国”であると、かなり強く思い込んでいた。



しかし、ある時不意に、アメリカにも”アイビーリーグ”という有名な社会的常識の、階層的なエリート主義がある事を思い出した。日本でいう”東京六大学”みたいな感じであると推測される。



アメリカの全米図書賞というのは、アメリカの文学の、最後の”良識”であるなあと、常日頃から思っていたのであるが、この図書賞というのを受賞している作家達は、ほとんどすべてが、”アイビーリーグ”といわれる大学の出身者であることに気づき、ある絶望を感じてしまった。映画などで有名な、労働者階級からの受賞は、ほとんどありえない事に思いいたり、失望してしまった。



アメリカで、有名な、ヘミングウェイや、フォークナーなどの時代は、いずれもいわゆる高卒のままであり、非常に勇気づけられ、感動的だったのだが、これは、世界大戦の為であり、ハイスクール出身の肩書きで、文学に手を染める事など、ほとんど考えられないといった事情は、日本などとほとんど同じような状況であるようだ。



大学で、別に悪事を教えられているわけではあるまいし、別に怨みがあるわけではないのだが、夢の国アメリカがそうであっては困るなどと、つい愚痴りたくなってしまった。



ちなみに、アイビーリーグと呼ばれる有名大学は、ハーバート大学、プリンストン大学、イェール大学、ペンシルバニア大学、ブラウン大学コロンビア大学コーネル大学ダートマス大学、の8校であるらしい。