堕ちてゆく男 ドン・デリーロ 著
まるで、マフィアのボスのような作者の名前の雰囲気に驚かせられたが、作者は、ニューヨーク出身の作家であられるらしい。
911の事件を中心に、その事件に遭遇した主人公と、その家庭、愛人、ビルから飛び降りるパーフォーマンスする男、テロリストなどの事が中心にストーリー進んで行く。
もうかなり聞き飽きた言葉とも思われるが、全編が小さな”断片”として構成されているようで、その断片は、数十行単位で切り替わっているので、もはや、断片というより、隙間化しているように思えてしまった。
このような、細かな断片化は、コンピューターのスピード感に慣れた者には、イメージが小刻みに切り替わるので心地良かった。
人称としては、彼はで始まる、完全なる客観描写であった。
ドン・デリーロ氏は、ニューヨークのフォーダム大学と言うところの出身であるらしい。フォーダム大学と言われても、あまり良く解らないが、大学出のエリートである事は間違い無いらしいようだ。