あたしの中の・・・・・新井素子

osamuoh2008-02-25

新井素子女史の17歳の時のデビュー作であったらしい。


1978年頃であるから、もう随分と昔の事になる。


ウィキペディアによると、同時代の口語表現を積極的に取り入れた特異な文体が注目され、「新口語体」と呼ばれたとの事。
新しい世代の言語感覚による文章で書いた漫画であると、指摘されたとの事であった。


正確には、”わたし”と書くところを、作者は、”あたし”と書いておられ、また、その”あたし”を作中で、”プッシーキャット”ちゃんと呼ばせている。


そういった、軽い、文体が、お洒落だ。


しかし、当時の僕には、サリンジャーや、庄司薫氏などの作品に、強烈な印象を受けており、ド田舎出身の僕は、当時のエリート主義と、僕ちゃん、お嬢さんブームに、大きな傷を負ってしまい、大きなコンプレックスになってしまったのを覚えている。


それら、文壇のエリート達の作品からすれば、新井素子女史の文体は、まだ比較的控えめであると感じられた。


当時、SFの世界など、ほとんど知らなかった僕は、筒井康隆氏の、”くだらん奴らばかりに賞をやりおって”とつぶやく、役者としてのテレビでの演技だけしか、記憶に無く、エリート主義一辺倒の文壇への、呪詛の演技として、かなり強く、イメージに刷り込まれていた。