らふたしアナベル・リイ総毛たちつ身まかりつ

osamuoh2007-12-11

大江健三郎氏の最新作であった。


今回は、私という人称で描かれていた。



大江氏の作品は、一人称で書こうと、登場人物で描かれようと、等身大の作者とほぼ同一であるかのような印象を受け、困る。作者の読書行為や、生活行為における精神的な軌跡が丹念に描かれているので、おもわず、これでは、作者の生活の事実そのままではないかと、困った勘違いを起こしてしまう。



大江氏が、昔、書いておられた”異化”するという事や、”転換装置””想像力”などの事などが、どのように実践されているのか、微妙な点がなかなか理解できないのが残念だ。



さしずめ、僕のような者の”想像力”などは、大江氏の作品からすれば、”妄想”に近いのかも知れない。