パラダイス

osamuoh2007-10-31

ドナルド・バーセルミというアメリカの作家の方の作品。



解説による”メタフィクション”の定義によると、


”所謂リアリズム小説的な登場人物、場面設定といった手法から距離を置き、視線を小説における言語そのものに向かわせる、小説についての小説”


となっていた。



作者のバーセルミは、もう1989年に亡くなっているとの事。



バーセルミ氏の手法の特質として、文学的コラージュ、徹底した断片形式(フラグメント)、口語的要素を多く含む文章。などがあげられるらしい。


文学で、徹底して、コラージュにこだわった作家がいたとは思わなかった。


日本でも、昭和モダニズム隆盛のころ、村山知義という人が、”構成派研究”などを発表した事があったらしいが、ほとんどが、伝統的小説の描写に回帰するか、政治的紛争の中で、消えていってしまったようで、昔から、気になっていた事だった。


素人の勝手な印象としては、非常に前衛的な事が表現されているはずなのに、どの作品からも、所謂、”浮浪者”、”ルンペン”の雰囲気が醸し出されるのが、皮肉に思われた。