トリストラム シャンディ

osamuoh2007-07-07

18世紀の作品で、ロレンス・スターンという作者の、英国の作品。


とにかく、お話が、グニャグニャと迷走してばかりで、一向にお話が進まない。これは、ユーモアでもあるらしいが、しかし、これが、小説かと、驚かされる。18世紀も昔に、すでに。モダンな小説が書かれていた事になるらしい。


物語の筋としては、父と母の間に自分がどのように生まれる事になるのかという事を、伯父や、伍長さんたちの、一見とるに足りない事柄が、永遠に脱線を続けながら、ぐるぐると続けられる。


読んでいる者は、物語に身を委ねたいのだが、しつこいくらいに、”物語に作者そのものが顔をだし”、作者自身の意見を述べ始める。


これが、現代のいわゆる、メタフィクションの発生であると言われているらしい。


スターンの書きたかったのは、おもに、この作者自身の”意見”であったらしい。


このような、古典とは何の関係もないが、批評家の東浩紀は、メタフィクションの定義として、”物語への没入と、その物語への懐疑”という要約をしておられる。


”物語そのものを考える物語”という事になるらしい。


しかし、解りにくい小説であった。