ランサローテ島  ミシェル・ウエルベック 著

          2014年、 河出書房 刊、

唯のセックスツアーの話かと、諦めようとも思うのだが、砂漠のサボテンの写真がなぜこうも美しく、小説の文章も何故か美しく、洒落ている。


ウエルベックは、ドゥルーズでいえば、逃走線にそのまま、旅、旅行を利用しているのだが、それも最も一般的、基本的な”ツアー旅行”をよく物語に登場させている。


僕のあやふやな記憶では、僕がまだ若く、旅が相応しかった頃は、沢木耕太郎や、五木寛之デラシネなどがかなり有名であった。青年の旅は正に一人旅がふさわしく、ツアー旅行などと言えば、怒られそうな雰囲気があった。正に、”青年よ荒野をめざせ”であった。・・・・・、しかし、田舎者の青年には、このような旅は以外にハードルが高く、よく理解できなかったのも事実だ。ちゃんとしたツアーだと高額な旅費になるから、青年はあえて荒野を目指せと歌われていたのだろうが、当時の僕には、やはりそれもかなりハードルが高かった。

年寄りツアーと馬鹿にされてでも旅はしたいな。しかし、それもかなり高いだろうな。・・・・・、残念!