クリュセの魚   東 浩紀 著

          2013年 河出書房 刊、

大学教授を三校と会社の立ち上げと、カフェを同時に仕事しながら、よく執筆できるなと、あっけにとらわれるが、ついに、東氏の小説が出た。


僕は、つくづくおもうのだが、SFの科学的知識というものが、全く無いので、文章から中々イメージが浮かんでこないのが困る。

僕のSF的教養は、”海野十三”までがやっとのようだ。残念。

クリュセの魚は、以外と詩的な作風のように思えた。僕のような科学音痴のような読者には、芸術的に描かれるより、徹底的に説明の解説書のような文体でないと、とてもじゃないが理解できないようなのが残念だ。

恐ろしい事だが、村上龍氏も、東氏のトレンドなどを取り入れて、歌うクジラというSF作品を書かれておられるが、どちらが旨い作品かと問われると、読んでいて、あれほど嫌悪感を感じさせられた、村上龍氏の作品のほうが旨いと、答えてしまいそうで、こんな自分はマゾかと思う。村上氏は非常な流行作家なので、とても敵わない。残念。