めくるめく世界   レイナルド・アレナス 著、

            1989年 図書刊行会 刊、

全編、牢獄の中で、まるで地獄めぐりのような内容。幻想的で、ちょっとマンガのように無茶な話の進め方になっており、これがマジックリアリズムと呼ばれる由縁かと思われる。


一人称、二人称、三人称という視点が、錯乱的に使用されていた。


アレナスについては、”夜明けのセレスティーノ”という映画をみて、その牢獄の場面で、かなりショックを受け、あらためて、ラテンアメリカの政治の凶暴さに驚く。


ラテンアメリカは、もともと住んでいたインディオという人々と、征服者たるスペイン人とポルトガル人などが国民を構成しているようだ。歴史を考えるとい、インディオの血が混じっているチャベス氏が、ムキになっているのも無理もないかも知れないと思われるが、やはり独裁や暴力に訴えるしかないのは悲しい。アメリカのオバマ氏のようにはいかないものかと思う。