リトル・ピープルの時代  宇野常寛 著

              2011年 幻冬社 刊、


村上春樹の評論と、仮面ライダーの批評、拡張現実の時代の論考から成っていた。


村上春樹の批評は、かゆい所に手がとどくような感じで気持ちよかった。


仮面ライダーへの批評は、今回は、劇場版のすべてを既にチェックしていたので、慌てることもなかったのだが、何故かワクワクするような気持ちが起こらない。やはり、読者の知らないような作品などが取り上げられていたりするほうが、わからない分だけ、期待や焦りなどがあって、ワクワク感がたかまるような気がする。ちょっとマゾ的なファン、読者意識があるような気がするから困ったものだ。


最後の”拡張現実”の論考だが、これも今では携帯や、PSPを持っていない人を探すのが大変なくらいだから、別に目新しい論考のようにも思えなかった。確かに、僕のような年寄りの時代には、まだ、”ジーンズのポケットに文庫本”の時代であったから、随分と違うといえば言えると思う。しかし、外の光にさらされるとゲームへの没入感もちょっと半減するような気がするのです。