宇能鴻一郎氏の1992年頃の、完全なポルノ小説だった。

osamuoh2008-06-14




”あたし、・・・・です。”といった調子の、女の子の”モノローグ”で、全編ポルノが描かれているので、有名であったらしい。さしずめ、ジョイスのブルーム夫人のモノローグを全編ポルノ作法に決定して、厖大な量産体制に入っていったようだ。



宇能氏の作品は、これ一作しか読んでいないから、断定はできないが、読んだ感じでは、あまり、モノローグという感じがしないのが残念であった。すべて、あくまで、性交の細かい描写が中心であるから、モノローグであろうと、客観描写であろうと、あまり違いが無いのだ。現代ならもっと女の子のキャラクターをキワ出させる事も有り得たかもしれないが、やはりポルノでは、あまり意味が無いのかも知れない。


詳しくは知らないが、昭和40年台当時の作家の中で、最も原稿料が高かったという伝説を聞いた事がある。相当な人気があったようだ。