物書きがコンピュータに出会うとき
奥出直人という教授の方の著作。
1990年の著作なので、現在では、もう時代遅れかも知れない。
しかし、著者が、アメリカの研究所で徹底的に、コンピュータとライティングについて、新しい事を叩き込まれたようで、読んでみて、その画期的な考えに驚いた。
ライティングというと、一応、物書きとしては、ワープロしかないのであるが、著者のアメリカでの常識は、それだけでは全く満足していないのに驚いた。
著者にとって、ワープロは、一応、清書ができて、カット&ペーストができる事しか認めていない。
著者は、論文作成の為に、徹底的に、”カードの書き込み”、”収集”をし、”ファイル資料”、”文献リスト”とみっちり格闘するところから始まっているようだ。
要するに、”メモ”、”データの整理”、”分析”、”下書き”、”構想ノート”、”清書”を、いかにコンピュータを使用して行うかの問題なのだが、特に、ライティングにおける”思考”の部分をコンピュータを使用するところが、異常に過激だ。
”ソフトライン””Q&A”など、日本では、未だに聞いた事が無いような、アメリカ製のソフトを駆使している点は、異常に、説得力があった。Q&Aなどというソフトに至っては、ソフトと対話をしてしまうと言う所など、あまりの過激さに呆れてしまった。
古い僕などは、神聖な創作行為をなんと心得ると思ってしまうが、それはかなり筋違いの思い込みであったようだ。
現在では、もう既に、WEB2.0などと言う時代になっているので、今現在、どのように進化しているのか、ちょっと想像がつかない。残念。