感じない男

osamuoh2006-08-16

 森岡正博氏という生命学の分野の先生の著作。

 大学教授という立場にありながら、あえて、自己の恥になるような、性的体験の事を物静かに語っておられる。

 要するに、男性の生理機能として、射精そのものには、生理現象の排泄以外の快楽などないのだから、性的なものに、それほど大きな期待をかけないようにという意味であるように感じられた。

 勃起までなら自信満々の男性も、射精してしまうと、あっけなくすべての薔薇色の欲望の世界が崩壊してしまって、ブルーな気持ちになってしまうという、単純な男性の性の生理というものも、たしかに馬鹿馬鹿しいものであるなと痛感した。

 なんといっても、話題は、ロリータコンプレックスのところの、性の分析であろうと思われたが、やはりあまり良くわからなかった。僕自身の好みを言ってもしかたないのだが、僕の感情としては、欲望を感じるのは、体脂肪率0パーセントくらにまで、徹底低的にシェイプアップされたその肉体美の凄さであり、ただの虚弱で醜い肉体しか持ち得ない自己のコンンプレックスの反動であると思われる。そのような鍛え上げられた肉体も、性交することによって、残酷にも破壊の方向に向かうってしまうということを感じるから、よけいに欲望が刺激されてしまう。

 しかし、テクノ時代になると、テクノストレスと精神分析学でいう性欲の抑圧の違いもほとんど違いが解らなくなってしまうのが、頭が痛い。昔はただのヒステリーだったはずなのに・・・・・・・