ハーツォグ   ソール・ベロー 著

ベロー氏はたてつづけに、3度も全米図書賞を受賞していて、凄いと思ったのだが、それでも、あっという間に時代遅れの作風になってしまったとの事。


専門家の解説によると、”正当すぎるほど正当的な小説形式に、全幅的な信頼をおいている。・・・・丹念に細部を積み重ね、現代人の不安と惑乱を描き出している”
となっていた。


正当的な小説形式というけれど、たった5日間に離婚にまつわるいきさつを、400ページ2段組にもおよぶ膨大な量で書かれており、そんなに古びているとも思えなかった。


ヨーロッパではジョイスプルーストアメリカではヘミングウェイ、フォークナーのような大作家のあとを次ぐかのような重大な難事業をなしとげたかのような、そんな作家の方に思えた。