ポートノイの不満 フィリップ ロス 著
1969年 刊行 集英社、
全編、オナニーとフェラチオなどの性の独白の描写で成っている作品なのに驚いた。
僕という男性が、ヘイ!ドクターといいながら、精神科の医師に独白しているというスタイル。
気になったのは、そのオナニーにしろ、セックス描写にしろ、決して美しくは描写されておらず、あくまで非常に汚らしく描かれている点であった。
当時は、”ワイルドに行こうぜ!”などというロックの歌などがヒットしていたから、時代の雰囲気でもあったのかもしれないが、まるで、毛の生えた動物の性行為のように、荒々しく、汚辱にまみれて描かれているので驚いた。
当時は、全米ベストセラーNo1の作品であったらしい。
別に、性を奨励しているのでもなく、否定しているのでも無いようにに読めるが、ロス氏にとっては、性ということは、全人生にわたって常に問題になっていた事のようだ。