中世衣生活史    徳井淑子 著


西洋中世の衣服では、”亜麻布”と呼ばれる”リンネル”という生地が重宝されていたらしい。”亜麻布”が発達したのはエジプトが最初であったらしい。



”亜麻布”、”リンネル”と毛織物の違いは、その感触にあり、肌にじかに触れる場合、所謂下着類などにこれを用いたらしい。ゴワゴワする毛織物が肌に直接触れるのを避ける為であったらしい。



当時の労働の面から考えた場合は、男子の場合はみな脚に密着したタイツを履いていたとの事。それで、熱や引っ掻きや跳ね返りといったちょっとした障害や事故から身を守らなければならないため、前掛けは特別な位置を占めていたらしい。主に皮製の物が使用されていたらしい。さらに、暑さをしのぎ、動作の妨げにならぬように上着を脱ぎ、それを腰帯に結び付け、シュミースとタイツの姿で刈り入れをするなどしていたらしい。



現代では、ストッキングなどはすべて工業製品で、科学繊維が使用されるのが普通になっているが、純粋に当時の亜麻布や、絹だけでレギンスなどを作ると、どのような履き心地がするのだろうとふと思ってみたりするが、やはりコストがかかりすぎてあまり意味が無いだろうか。