芸術起業論 村上隆 著
ニコ動画での、村上氏の”現代美術”についてのレクチャーを観て、永年の頭の霧が晴れるような、スッキリした解説に驚いたので、本書を読んでみた。
”現代美術”の特質として、ピカソ以降リアリズムの絵画は完全にデットエンドを迎え、ピカソ以降、いかに描かないで表現するかが、”現代美術”の特徴となっているとの事であった。
戦争に勝った国”アメリカ”が、”現代美術”のマーケットの中心になって居る事。
かなりなお金持ちのマーケットの要求する絵が求められてる事。マーケットの要求においては、あまり、作者の内面とか、自由とかはほとんど要求されていない事。従って、かなりビジネス的戦略のコンセプトが必要になってくるとの事。
経験と勉強による”パターンの重層化された蓄積”、これが、プロとアマチュアの決定的な差であるようだ。
”現代美術”の最も重要なレシピとして、”重層化するコンテクスト”という事があげられ、ここに、かなり美術の勉強が関係してくるらしい。
コンテクストというのは、辞書で訳せば、文脈という事になるが、これが、一枚の画の中に、かなり重層的に表現されているらしい。
たとえば、僕のような全くの素人には、蓄積されている絵画の歴史、技術、教養などは、ほんの僅かの薄っぺらいものしかないから、パターンが貧弱すぎて、すぐに行き詰まるといった事になるらしい。