コスチューム 中世衣裳カタログ    田中 天 著


”レギンス”といわれる”タイツ”の事が気になっていた。そもそも男性が穿けるものなのかどうかとか。


本書によれば、中世ヨーロッパでは、国王から一般庶民まで、すべての人々が全員”タイツ”を穿いていたようだ。日本人のぼくらには、西洋の中世にまでなかなか想像力が及ばないので、なかなか思い至らなかった。



特に、中世の村の”鍛冶屋”さんや、”農民”の方々に至るまで、普通の仕事着として、しっかりタイツを穿いていたと言う事が興味深かった。特に鍛冶屋さんなどは、夏の暑い時期には如何していたのだろうかと想像するのだが、一応、暑い寒いに関係なく、現代のズボンと同じようにタイツが穿かれていたようだ。それで、特に素材が気になったのだが、ほとんど全部が”毛織物”でできており、とくに”リンネル”という生地を使用していたらしい。



良く考えてみれば、日本でも中世にまで遡れば、”とび職”の人や、”職人”などは、普通に”股引き”を穿いていたようで、そんなに変わった風習ではなさそうだ。



しかし、現代の生活では、男性がタイツなど穿いていると、やはり常識を疑われるか、少し頭がおかしいと思われる事を心配していたほうが良さそうだ。当たり前か・・・・・