うつ病      樋口輝彦 著

あまりに自殺者が多いので、少し気になって読んだ。

理屈としては、頭の脳みそのなかを”セロトニン”と”ノルアドレナリン”呼ばれる神経物質で一杯にすれば良いという事なのだが、事が脳の事なので非常に難しい。


治療方法としては、やはり病院での”お薬”による”薬物療法”が中心になるらしい。薬は脳に利いてしまう薬なので、充分な休息が不可欠で、周りの人々から怠け者と言われてしまうのが、やはり一番辛いらしい。うつ病で一番重要なのは”休養”という事らしく、休養とは、なにもせずに休み、自宅でのんびりと過ごすことらしい。誰に会うでもなく、なにをするでもなく、ただぼんやりと一日を過ごすことらしい。そのような生活が一番重要な治療になるらしい。しかし、これが実際にできる人はほとんど居ないのも現実らしく、世間でいう”ヘタレ”などと尻を叩かれ、非常な悪足掻きをしてしまうらしい。大変だ・・・・・・・。


あと機械的療法としては、”無けいれん電撃療法”と呼ばれる有名な電気ショック療法があるらしく、これは、まず、全身麻酔をかけ、筋弛緩薬でけいれんがおこらないような状態にしてから、頭部に電気刺激を加えるという方法であるらしい。だいたい2〜3秒で済むらしく、これを週に1〜3回、合計6〜12回程度実施するらしい。


もうひとつの機械的療法に”光療法”というのが有名らしい。これは、天井や壁に蛍光灯を並べた特殊な部屋に入り、”2500ルクス”程度の強い光を浴びながら、光源を1分間に数秒見つめる治療を1〜2時間程度、1日1〜2回実施するという方法であるらしい。ポイントは光を浴びている時間が”1〜2時間”もかかるという事で、実際僕も真似事としてためしてみたが、テレビやビデオを観るならともかく、ただ光だけを1〜2時間も見つめ続けるというのは、意外に難しい。しかし、これが、自宅などでもできそうな唯一の、安全性の高い方法のようだ。


骨折や怪我などと違って、一旦病み衰えた脳が、自分で考えても、治るとはとても思えないないので、皆絶望して、自殺という手段になってしまうようだ。うつ病と自殺は切っても切れない関係のようだ。残念・・・・・・。