澁澤さん家で午後五時にお茶を    種村季弘 著

タイトルが、お年寄りにしてはシャレているので読んでみた。


一応現代的図式では、サド男とマゾ男が、午後に優雅にお茶をするといったイメージで可笑しいが、お二人とも非常に大変な深い学識の持ち主であられるので、ホッとする。


性の事は、一応”女性美”が中心で、男性の事はあまり考えたくもないのだが、お二人のような知的な老人の事を考えると、男性であっても(俗な意味で一応、変態と呼ばれようとも)あくまで紳士的でいられるのであるなーと、つくづく感心してしまう。



しかし、お二人とも、立派な東大卒のエリートであり、その博学な教養の事を考えると、やはり、ただの庶民の汚らしい(スケベな)老人では、こういった気品を醸し出すのは少し無理かとなと、諦めのような気持ちが湧いてしまう。