クォンタム・ファミリー  東浩紀 著

osamuoh2010-01-18



平行世界などの、科学に関する著述に、話者の嫌悪感というか、強いアイロニーが感じられて素人と言うか、理科系に弱い僕にはあまり面白くなかった。SFに強い人とか、科学の専門家の人には、そこが面白かったのかも知れない。



平行世界への転送なのか、小説の形式なのか、読んでいて区別がつかなくなり、結局どれが風子で、汐子なのか解らなくなってしまった。




科学的な著述に比べて、場面やシーンの描写が少なすぎるように感じられて、コンピュターの世界に置き換えると、ハードの事ばかりで、肝心のコンテンツのドラマの部分が、ほんのちょっとしか無いといったような、幼稚な読者としての不満を感じた。作者のサービス精神旺盛な評論に馴れている読者として、あまりにエンターティメントを期待しすぎかも知れない。